理学療法士1年目が知っておくべき給与とお金の話

医療従事者【働き方】

 

 

2月に国家試験を終え、合格しいよいよ4月から医療機関や施設等に就職。

 

月末には初任給を貰うぞ‼という期待に胸を躍らせている理学療法士・作業療法士は多いのではないでしょうか?

 

しかし、実際の社会人1年目の理学療法士・作業療法士は思っているよりもお金に余裕がないかもしれません。

 

今回は、理学療法士1年目が知っておくべき給与とお金の話を解説します。

 

 

 

理学療法士1年目が知っておくべき給与とお金の話

 

 

 

 

理学療法士の初任給はいくら?

 

 

 

 

厚生労働省が発表する「賃金構造基本統計調査(令和元年)」によると、

 

 

理学療法士(男)給与:229,800円
理学療法士(女)給与:227,900円

 

 

理学療法士1年目の初年度の年収は、男性が301.8万円、女性が289.6万円となっています。

 

 

 

1年目の理学療法士の年収が低い理由としては以下が考えられます。

 

 

①夏のボーナスが含まれていないため
②残業時間が少ないため

 

 

 

一般的に夏ボーナス(賞与)の査定期間は前年10月〜3月を指し1年目は支給されません。

 

 

また、1年目は仕事を覚えるために多くの理学療法士が残業をしますが、残業申請が許されることが少ないのが現状です。

 

 

 

初任給から引かれるお金

 

 

 

 

 

雇用保険料

 

 

「雇用保険料」は当月から差し引きされます。

 

雇用保険料とは失業給付などを受けるための保険のことです。

 

金額の算出方法は、額面給与に一定の保険料率を掛けて算出します。

 

 

「雇用保険料=賃金総額×雇用保険料率」

 

 

現在は、雇用保険料率が「0.003%」と決定されます。

 

つまり、初任給20万円であった場合、600円程度となります。

 

 

しかし、この雇用保険料率が2022年4月からUPします。

 

 

 

 

所得税

 

 

所得税は社会人1年目の初任給から引かれます。

 

所得税は所得がある人全員が納める税金ではありますが、累進課税制度によって所得の額によって納める金額が異なります。

 

毎月の給与額に伴って源泉徴収をしている金額は、あくまで所得税の概算です。

 

 

1年目の理学療法士の場合、概ね4,000~5,000円以内となります。

 

 

そのため12月の給与において、その年の年間所得が確定したら、正しい所得税を求め源泉徴収していた分との差額を調整する必要があります。

 

これが年末調整が必要と言われる理由です。

 

 

初任給の翌月から引かれるお金

 

 

社会保険料

 

 

「健康保険料」と「厚生年金保険料」は、通常前月の支払い分を翌月の給料から差し引きます。

このため初任給と翌月では、額面が大きく異なります。

 

 

健康保険料

 

 

医療保険制度の保険料です。初任給の翌月から引かれ、支払額の半分は会社が負担しています。

 

金額は、健康保険組合もしくは全国健康保険協会(協会けんぽ)といった会社の加入する保険者によって異なります。

 

 

協会けんぽ(神奈川県)令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険料額表から見ると、

 

月給23万円の場合、10,989円が控除されます。

 

 

 

厚生年金保険料

 

 

 

年金を支給してもらうための掛け金です。

 

 

こちらも支払額の半分は会社が負担です。金額は、額面給与に一定の保険料率を掛けて算出します。保険料率は、日本年金機構が発表している「保険料額表」を確認することができます。

 

 

 

協会けんぽ(神奈川県)令和3年3月分(4月納付分)からの厚生年金保険料額表から見ると、

 

 

月給23万円の場合、20,130円が控除されます。

 

 

健康保険料+厚生年金保険料を合計すると、2か月目から31,119円が給与から引かれます。

 

 

 

2年目から引かれる税金

 

 

 

 

住民税

 

 

住民税は前年の所得に対して発生する税金のため、社会人1年目からではなく社会人2年目の6月から天引きが始まります。

 

住民税とは住んでいる都道府県や市区町村に支払う税金のことです。そのため、住んでいる地域・収入の額によって納める金額が変わります。

 

 

 

 

10月から始まる奨学金の返済

 

 

 

 

大学や専門学校を卒業する3月が貸与終了の月となることが多いため、卒業後に医療機関等に就職した場合、数ヶ月間働いた後に奨学金の返済が始まることになります。

 

日本学生支援機構の貸与型奨学金の場合、返済が始まるのは「貸与終了月の翌月から数えて7か月後」です。

 

この時期に、指定した銀行口座から返済額の引き落としが開始されます。

 

 

2019年3月に労働者福祉中央協議会が発表した「奨学金や教育負担に関するアンケート調査」によると、

 

・日本学生支援機構奨学金の借入総額の平均は324万3000円
・毎月の平均返済額は1万6880円でした。

 

 

奨学金の返済期間の平均は14.7年となっており、大学を卒業してから返済スタートすると、30代後半まで返済が続くということになります。

 

 

 

 

 

理学療法士1年目はほとんど貯蓄できない

 

 

 

 

 

では、上記のお金の話を踏まえたうえでいくら貯蓄できるか考えてみましょう。

 

理学療法士の初任給は23万円前後です。初任給こそ社会保険料が控除されませんが、

 

2か月目からは健康保険料・厚生年金保険料の約3万円が引かれます。夏のボーナスはなく、

そして10月からは奨学金の返済が開始します。

 

 

更に医療従事者特有の自己研鑽の風潮があり、研修会参加費や医療書を購入してしまうと、

 

一人暮らしの生活だけで精一杯になり貯蓄はほとんど出来ません。

 

 

 

まとめ

 

 

理学療法士1年目のリアルな給与実態と重要な給与・お金の話を解説しました。

 

リハビリテーションの研鑽だけでなく、自分の稼いだお金についても興味を持ちましょう

 

 

長く理学療法士を続けていくためには、お金の話題は切っても切り離せません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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