こんにちわ(‘ω’)ノゆとりPTです。
最近では、卒業と同時に国家資格がダブル取得できる学校があります。
例えば、作業療法士+言語聴覚士などです。
現状、国家資格のダブルライセンスを持つ療法士は少ない傾向にありますが、
療法士が携わる分野における専門資格の取得者は年々増えています。
主力となる資格が一つでも多くあればあるほど、よりさまざまな視点から患者にアプローチしていくことが可能となります。
しかし、これはキャリアアップの観点からは本当に意味のあるものなのでしょうか?
今回は、リハビリ職種のダブルライセンス取得に意味はあるのか?を解説していきましょう。
リハビリ職種のダブルライセンス取得に意味はあるのか?
リハビリ職種のダブルライセンス取得のメリット
①就職に有利になる
臨床現場では、例えば脳梗塞後遺症のように理学療法士と作業療法士、言語聴覚士がチームを組んでリハビリに当たることが多々あります。
そのため、ダブルライセンス取得者の場合は2つの専門職の視野で質の高いリハビリテーションが介入できると考えられています。
そして単純に国家資格を2つ有しているため、希望職種が増えるため就職先が2倍になります。
②給与面でも有利になる
2種類の専門職種の国家資格を所有することで、給与面でも資格取得のインセンティブが付き給与面でも有利になる可能性があります。
次に、リハビリ職種のダブルライセンス取得に意味はない可能性を考えていきましょう。
リハビリ職種のダブルライセンス取得に意味はない理由
①汎用性がない
ダブルライセンス取得が絶大な効果を発揮する場面とは、一つの職場で複数の関連業務を担ったり、より価値の高い情報やサービスを顧客に提供できることです。
しかし、作業療法士×言語聴覚士などのダブルライセンス取得者では確かにメリットに挙げた質の高いリハビリテーションを提供できるかもしれませんが、
取得単位数が増えるわけでもなく、複数の業務を兼務できるわけでもありません。
つまり、企業側(医療機関側)の旨味が乏しく収益アップに繋がりにくく、また職種が類似し過ぎていることで行動が逆に制限されてしまうのです。
例えば、汎用性の高いダブルライセンス取得の例を挙げると、
この場合は、複数の業務を兼務できるダブルライセンス取得者が重宝されるでしょう。
②募集要項では1職種として扱われてしまう
リハビリテーション職種の募集要項を確認すると、全ての求人でPT・OT・STのいずれかで募集がかかっています。
仮にダブルライセンス取得により就職することが安易になったとしても、勤務先では上記いずれかの職種として扱われてしまいます。
また、取得している国家資格によって給与面でインセンティブ(手当て)が付けば良いのですが、
生産性(診療報酬等の収益)が上がらないのに給与を引き上げることを勤務先は躊躇しがちです。
結果として、ダブルライセンスの2種類の国家資格がミスマッチしています。
③ワンストップサービス化ができない(業務を集約できない)
ワンストップサービスとは?
医療従事者の場合、診療や治療は医師に始まり、病棟での診療の補助・療養上の世話は看護師・介護職が担います。
そして、診療の補助の一環としてリハビリテーションはリハ職が行います。
例えば、作業療法士と言語聴覚士を持つダブルライセンス取得者は上記の垣根を飛び越えて一つの職場で複数の関連業務を担うことはできません。
上記のダブルライセンス取得によりできることはリハビリテーションの幅が少し広くなるだけです。
これでは、ダブルライセンス取得による強みを十分発揮できているとは言い難い状態です。
リハビリ職種が取得すべきダブルライセンスとは?
介護福祉士やケアマネジャー
理学療法士を始めとするリハビリ職種は介護福祉士やケアマネジャーの資格を有することで、
サービス付き高齢者向け住宅や介護老人福祉施設等の施設系の管理者を目指すことができます。
施設入所に関する手続きや医療・介護保険関連の業務を理解して施設全体をコントロールする重要な役割です。
看護師
リハビリテーション職種よりも給与や待遇面で優遇されていることがポイントです。
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」の調査によると、
看護師の平均年収は491万8300円となっています。
年間のボーナスのほか、夜勤手当や残業代、通勤手当といった各種手当も含んだ総額です。
一方で、
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(令和元年度)によると、理学療法士の平均年収は約410万円と比較すると圧倒的に低い水準です。
看護師として勤務しても、リハビリテーションの知識は病棟でも早期離床や退院に向けての考え方などは重要となってきます。
また、今後の診療報酬改定によるリハビリテーション料の減算の心配から解放され、
病棟勤務以外にも地域医療に進出したり、医療機器・製薬会社等の一般企業への転職も視野に入れることができます。
共通基礎導入でダブルライセンス取得が安易になるかも
『共通基礎課程』とは、医療福祉系の資格で現在別々に組まれているカリキュラムの一部を共通知識として受講が免除され、資格取得にかかる時間を短縮できる制度です。
共通基礎課程が導入されると最初の1年で履修する基礎部分は共通となり2年の在籍で国家資格を受験することができるのです
まとめ
ダブルライセンス取得は自分の可能性を広げる方法の1つですが、組み合わせは重要です。
特に、同じ傾向の強すぎる職種の国家資格(例えばPTとSTなど)を取得しても将来的なキャリアプランなどは大きく変わらない可能性があります。
逆に、うまくダブルライセンス組み合わせて取得することで、昇進や転職時などの手助けとなるでしょう。
おすすめの転職サイト
公式:リハのお仕事
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士専門の転職支援サービスです。
サービスをすべて0円で利用可能です。
アドバイザーから施設や病院内の人間関係や評判など、一人では知ることが難しい求人票に書かれていない情報も聴取できるのが特徴。
難しい給与面などの待遇交渉もお願いできます。
コメント