医療従事者は『一生勉強』言われるほど医学は高度に専門的であることに加え、日進月歩の技術革新がなされています。
そのため自己研鑽という名の強制的な時間外労働は未だに医療機関では多く見られます。
一部では、自己研鑽も業務の内と考える医療従事者は多く、自己研鑽と労働時間の線引きが曖昧です。
今回の記事では、
こんな医療従事者が抱いている悩みを解決します。
『自己研鑽』と『労働時間』の具体的な線引きについて解説
令和元年7月、厚生労働省労働基準局より『医師の研鑽と労働時間に関する考え方について』具体的な線引きがの明確化し手続及び環境整備について示されました。
これはその他の医療従事者にも当てはまります。
研鑽と労働時間に関する考え方のポイント
労働時間に含まれるパターン
臨床で必要な知識・技能の習得のための学習は労働時間に含まれます。
上記の項目については一般的に診療の準備行為又は診療後の後処理され、
これらの行為を行う時間は、労働時間に該当します。
ただし、自由な意思に基づき、業務上必須ではない行為を所定労働時間外に、上司の指示なく行う時間については労働時間に該当しないとされます。
自己研鑽に含まれるパターン
上記の項目については奨励されている等の事情があっても自己研鑽に含まれます。
あくまでも、自由な意思に基づき、業務上必須ではない行為を所定労働時間外に、上司の指示なく行う時間については、労働時間に含まれません。
医療機関では「労働」と「研鑽」が曖昧になっている
実際の場面では、労働時間or自己研鑽の区別は曖昧になっています。
例えば、上司や先輩である医師から奨励されている等の事情があり、形式上、『自由な意思に基づき研鑽』となっているものが多数あります。
これら全て、上司や先輩である医師から奨励されている等の事情があったとしても、
業務上必須ではないことを、自由な意思に基づき、所定労働時間外に、自ら申し出て、上司の明示・黙示による指示なく行なっていることになっています。
更に、実際には不参加の場合、積極性がないとみなされ、人事評価の減点(制裁等の不利益(就業規則上の制裁等))が課されたり、業務上必須である場合が多いのが現状です。
これからの医療機関がやっていくべきこと
自己研鑽というなの強制的な時間外労働を強いることは、昨今の労働問題と照らし合わせても難しくなってきます。
医療機関では、研鑽の労働時間該当性を明確化するために求められる手続及びその適切な運用を確保するための環境の整備が必要です。
具体的には、以下です。
まとめ
自己研鑽という名の強制的な時間外労働は未だに医療機関では多く見られます。
しかし、今後そのような体制はコンプライアンス的に長続きはしません。
必要があれば、勤務先と交渉したり、労働環境が整備されている医療機関への転職を考えてもいいでしょう。
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