こんにちわ(‘ω’)ノゆとりPTです。
先日のリベラルアーツ大学の『終身雇用崩壊後の世界の「歩き方」について解説』の動画を見ました。
その中で、国家資格を持つ医療従事者は一般的には専門職と言われますが、働き方そのものはマックジョブに酷似しています。
今回は、専門職である理学療法士がなぜマックジョブ化するのかを解説します。
専門職である理学療法士がなぜマックジョブ化するのか?
まずマックジョブとは、何なのでしょう?
マックジョブとは、クリエイターやスペシャリストに並ぶ3つの仕事の分類の一つです。
この言葉は、ファストフード店の「マクドナルド」に由来するもので、
マクドナルドだけでなく、就業にあたっての訓練がほとんど必要なく、スタッフの離職率が高く、管理者が労働者の業務に強く干渉するような、地位の低い仕事を表すのに使われます。
療法士がマックジョブ化する理由
問題点➀資格の難易度
本来専門職と言われる職業は、資格の難易度が高く取得するまでに高いスキルと知識が必要です。
しかし、養成校の乱立により学力は落ち、毎年約10,000近くの理学療法士が誕生しています。
2021年の理学療法士国家試験は11,946人が受験し9,434人が合格し、合格率は79.0%(現役86.4%)と高水準で推移してます。
養成校の偏差値はピンキリであり、
低い偏差値であれば偏差値35前後、高学歴の大学となれば偏差値65以上など幅があります。
しかし、どこの学校に行こうが「理学療法士国家試験」を合格すれば、
全員横並びのスタートとなり報酬に優劣はなく、資格の希少性や質の低下に繋がります。
問題点➁診療報酬制度
診療報酬制度がマックジョブ化を加速させる原因の一つです。
本来であれば、高い技術に対しては高い報酬を支払うことでサービスの差別化を図り対象者に選択の余地を与えますが、
保険診療内では国家資格さえ持ってれば1年目が行なうリハビリでも、20年目が行なうリハビリでも診療報酬は同額です。
これにより、保険診療内でリハビリテーションの利益を上げるためには単位数を稼ぎ回転率を上げるしかありません。
マックジョブ化の一つである、患者を流れ作業のように扱ってしまう原因となります。
問題点➂需要と供給の不一致と離職率
2019年4月に第3回理学療法士・作業療法士需給分科会が開催され、厚生労働省がリハビリ職の働き方や将来的な需要に関する推計を提示しました。
そこでは、PT・OTの供給数は、2019年時点においては、需要数を上回っており、2040年頃には供給数が需要数の約1.5倍となるという衝撃の内容でした。
また給与水準もその他の医療従事者と比較して、理学療法士は20年間挙がっておらず唯一下がっている職種であるデータが出てしまいました。
離職率に関して、理学療法士協会が行った平成28年の調査によると、理学療法士の離職率は医療分野では10.2%、介護分野では18.8%とされています。
厚生労働省が行った平成27年の調査によると常用労働者の離職率は15%なので、
理学療法士の離職率は医療分野では低く、介護分野では高いと言えます。
介護福祉領域のなかでも、訪問リハビリの離職率が37.4%と最も高い傾向があります。
問題点➃リハビリテーションという曖昧さ
理学療法士は名称独占だけで業務独占はありません。
疾患のある者に対して医師の指示の下、理学療法を行なうことが許されているだけです。
しかし『理学療法・リハビリテーション』という言葉は、社会に浸透しつつありますが、
実際のところは健康運動指導士や柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師などいわゆる整体師と療法士が混同されてしまっている現実があります。
病院では、看護師や介護士の補助に入り、トイレや更衣・入浴等のADLを確認するという名目で人員不足の穴埋めに利用されています。
その曖昧さが専門職としての確立を阻み、結果、マックジョブ化を進めています。
まとめ
知識・技術を必要とせず、低賃金で将来性がなくなるマックジョブ化を推し進める理由は以下です。
これからの保険診療内での療法士の働き方は、必ず厳しいものになります。
今日から将来の自分がどうなりたいか考えて行動する必要があります。
キャリアプランやリハビリ市場の動向を調べましょう!
おすすめ記事
両学長のリベラルアーツ大学の参考動画はこちら
コメント