転職するにしても、キャリア(勤続年数)は短いし転職先が良い病院や施設とも限りません。
医療従事者にとって、転職は人生のターニングポイントであり、間違えると
時間や労力を大きく無駄にしてしまったりキャリア(履歴書)に傷をつけてしまいます。
本日は、転職の前に知っておいて損はない法人内異動を紹介します。
法人内異動とは?
法人内異動とは、部署異動・配属施設異動を指します。
同列法人内で病院・クリニック・老健施設・特別養護老人ホームを経営し患者のライフステージに合わせて利用施設を移している病院は多くあります。
皆様も次年度に向けての上司との面談で部署異動・法人内の施設異動について
話されたことはないでしょうか?
法人内異動とは、それを自ら上司にお願いして配置換えを行なう方法です。
法人内異動をした方が良い人はどんな人?
法人内異動が当てはまる方は以下の理由に該当する方です。
・経験年数(キャリア)が短い人や、転職して間もない方
・人間関係に悩みがあり転職を考えている方
簡単に言うと
・業務が忙しすぎて辞めたい
・人間関係が嫌で辞めたい
・キャリアが短いが仕事が耐えられないから辞めたい
などの理由の医療従事者は法人内異動を一度検討した方がよいでしょう。
なぜ給与面・福利厚生以外の転職理由なのかというと、
同系列法人内では給料面や福利厚生は概ね同じに設定されているためです。
業務内容・就業時間(残業時間)などはその部署ごと・施設ごとで違いがあります。
法人内異動のメリット
➀業務が比較的楽な部署(施設)に異動できる
例えば、A医療法人の〇〇病院、急性期の病棟に勤務しているとします。
急性期はセラピスト・看護師ともに患者の回転率が速く担当数や検査・処置など大忙しで、
心身ともに負担を強いられます。
委員会や研修会も頻繁にあり、就業前の前残業や残業などが常習化しやすい環境でもあります。
しかし、
そこで同じ病院内の回復期病棟や療養病棟を見てみると、
検査・処置の数も少なく病棟全体はゆっくりとした時間が流れています。
またセラピストであれば退院までの入院期間が長く担当数も少なくなるので業務に集中することができます。
さらに部署ごとによって残業時間に大きな差があり、比較的忙しくない病棟に移動することでプライベート時間を確保することができます。
➁キャリア(勤続年数)を継続できる
転職を考える人の中には1年目~2年目の新人も多いはずです。
仕事が合わなかったり激務で耐えられない方など様々。
しかし、転職市場ではやはり経験年数が短いというのは致命的です。
勤めたい病院によっては、応募要項に経験年数〇年以上など条件を課している場所もあります。
➂人間関係をリセットできる
仕事上避けて通れないのが人間関係です。
しかし、法人内異動をすることで一度リセットすることができます。
病院内の部署移動では顔を合わせてします可能性がありますので、
その時は同系列法人内の施設を異動しましょう。
例えばA病院➡A老人福祉施設やAクリニックなどへの異動です。
勤務地も人間関係も全て一新できるので、気持ちよく勤め始めが可能となります。
➃福利厚生が継続される
同系列の法人内の異動や部署異動であれば、以下の項目が継続されます。
➁勤続手当
➂ボーナスの支給
➃退職金の積み立て
特にボーナスの支給に関しては、
転職の場合、春に転職すれば夏のボーナスは無しか寸志の場合が多くなりますが
法人内異動であれば問題ありません。
法人内異動のデメリット
➀情報は部署を移動しても把握されている
部署もしくは法人内施設を異動しても上層部を通じて情報は共有されています。
人間関係やストレス、様々な理由で異動となっても移動先の上司は既に知っているかもしれません。
しかし、これはデメリットでありメリットです。
次の上司があなたに理解を示してくれるのであれば、異動理由を知ってもらっても損はありません。
➁ローテーションで部署異動をさせられる可能性がある
これは法人の方針によります。
多くの場合、医療従事者に様々な経験を積ませるために数年おきにローテーションで
各病棟や施設に異動配属させることがあります。
しかしこれは面談で上司に自分の意見を伝えると異動しなくてよくなる可能性もあるので
一概には言えません。
➂大きな医療法人や企業でなければ法人内異動は難しい
クリニックや小病院(99床以下)では同系列施設や病院を持たない場合が多く
この方法は使えません。
まとめ
SNSなどでは、セラピストや看護師が業務内容や人間関係に悩んでいる方が多くいます。
そして多くの方が退職➡転職を選択されています。
しかし、今回の法人内異動を一度検討してから退職の選択肢を持ってもいいのではないかと思います。
法人内異動はメリットであり、我々、医療従事者の選ぶ権利でもあります。
転職する場合は転職エージェントを利用しより良い職場を選びましょう。
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