新卒から3年間勤めた病院から始めて転職するぞ!
あれ?給与欄に実績考慮って書いてある。自分の場合はいくらくらいなんだろ?
理学療法士の中途採用転職では、募集要項の給与額面記載の横『賃金は、経験、実績等を考慮して決定します』や『前職の実績を考慮』と記載があります。
しかし、実際はどのようにどの程度考慮されるのかは非常に曖昧です。
ここでは、そのような中途採用転職時の『実績考慮』の記載を解説します。
求人票の実績考慮ってどれくらい考慮されるのか?
転職で給与が上がる人・下がる人の割合
厚生労働省の「2019 年(令和元年)雇用動向調査結果」によると、
年齢別にみると、若い人ほど年収が下がる割合が少ない傾向にあります。
この理由としては若いうちはもとの年収が低いこと、また転職の選択肢が多いことが考えられます。
一方で50代後半になると、転職により年収が下がる人は4割を超え、上がる人は3割未満です。
一方で、
リクルートワークス研究所が行う「全国就業実態パネル調査2020」によると、
給料が下がった人が多いという結果になっています。
転職初年度は昇給やボーナスがなく残業も少ないので、転職前より年収が低くなる傾向があります。
参照:2019 年(令和元年)上半期及び平成30 年雇用動向調査結果
医療従事者の実績とは経験年数を意味する
医療従事者の場合、国家試験を合格すれば1年目であろうと10年目であろうと同じ内容の仕事が可能となります。
また1年目でも10年目でも例えばリハビリ職の場合、1単位の診療報酬は同じであり取得単位数の上限も全く同じです。
つまり、実績考慮とは名ばかりで実際には経験年数で比較していることが多いです。
経験年数は転職時などに、経験、能力加算のときに使用されますが、それは客観的な指標でもなく優劣の差にもなりません。
その中で他者とどれだけ差別化を図れるか?ということが重要となります。
では、求人票で見かける実績考慮のパターンを見ていきましょう。
パターン①前職の給与を考慮される
同業種同職種への転職の場合は、「経験者」ということで、前職の給与を「考慮」してもらえるケースが、一般的に多いです。
ただし、「考慮」は決して「現状維持やアップの保証」ではありません。
「前職の給与を考慮」という記載があった場合、前職の給与水準を考慮し転職後も同程度の給与になるように調整する目的で使用される場合があります。
パターン②経験年数によりモデル年収ケースが存在する
求人票には目安となる経験年数が記載されている場合あります。
例えば「実務経験3年:380万円~」「実務経験5年程度:420万円~」などです。
これはあくまで経験の目安のため、必ずその年数の実務経験を有していないと評価されないというわけではありません。
中途採用では、実務経験の年数だけでなく、経験した業務内容や役割、成果などを総合的に判断するケースがありますが、医療従事者の場合は経験年数を評価指標として区切ることが多いのです。
パターン③実際に経験やスキルから交渉する
実際に採用面接時に給与の交渉を行なうパターンです。
しかし、これは医療従事者の場合、幹部候補や管理職といったマネジメント側の採用以外はほとんど行われません。
部署や病院全体をマネジメントする役職者を採用する場合、
これまでに携わった業務で、どのような知識・経験・スキルを身につけ、成果を出してきたのかが重要になります。
職種によっては、実務経験に必要な資格や取り組んだ業務内容や工夫したこと事例を持ち出して交渉材料とすることで給与額の交渉を行なうことになるでしょう。
まとめ
理学療法士・作業療法士などの医療従事者の場合、前職の実績考慮という記載があったとしてもほとんどが経験年数で判断される場合が多いです。
そして転職先で元々働く療法士達と大きな差ができるような形で実績が考慮されることはまずありません。
基本的には、提示されている給与額面で働くことになることが多いでしょう。
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