レッドゾーン(感染区域)内でリハビリしているのに危険手当が支給されない
新型コロナウイルス感染患者の検査や介護を行なっているのに危険手当が支給されない
医師・看護師以外はコロナ感染症患者に接触する業務を行なっても危険手当が出ない
このような新型コロナウイルス感染症の患者を担当し感染リスクがあるのにも関わらず、危険手当が支給されていない医療機関が多く存在します。
そこで、都道府県から新型コロナウイルス感染症対応医療従事者特殊勤務手当補助制度が開始されています。
今回は、新型コロナウイルス感染症対応医療従事者特殊勤務手当補助制度を解説致します。
新型コロナウイルス感染症対応医療従事者特殊勤務手当補助制度を解説
制度の目的は?
新型コロナウイルス感染症患者等の診察や治療に携わる医療従事者に対する特殊勤務手当(危険手当)の支給に係る経費に対し、補助を行うことで、医療従事者の待遇の向上を図ります。
補助対象医療機関の要件は?
以下の要件を満たす場合、補助の対象となります。
医療機関の設置者は、民間・公的・公立等問いません。医療機関がこの制度の申請者となります。
支給対象となる業務は?
新型コロナウイルス感染症患者の治療、看護その他の業務に従事したときです。出勤しただけでは補助対象にはなりません。
新型コロナウイルス感染症病原体又は病原体が付着した物若しくは付着した疑いのある物(衣類、日用品等)に接触する業務に従事したときや、
接触があったとしても個人防護服を着用しない程度の危険性の低い業務(新型コロナウイルス感染症患者のいる汚染区域部屋への短時間の入室、容器に入った検体の運搬、容器の氏名等の記載を確認する、検体に直接接触していない行為等)の場合は支給対象外となります。
支給対象の医療職種は?
医師、看護師をはじめ、診療放射線技師、レッドゾーン内でリハビリを行なう理学療法士 、作業療法士 、言語聴覚士も幅広く対象となります。
勤務形態は常勤・非常勤を問いません。
医療機関が直接雇用し、特殊勤務手当を支給する人に限ります。したがって、派遣や委託などの職員は対象となりません。
参照:東京都医療従事者特殊勤務手当支援事業 より
補助対象額はいくら?
実際に医療機関が勤務する医療従事者に特殊勤務手当(危険手当)を支給した経費が補助対象となります。
都道府県により上限は異なりますが、多くが補助対象業務に携わる医療従事者1人当たり日額4,000円~5,000円と補助対象額の上限を定めています。
(例)危険手当が日額上限5,000円の東京都の場合
・ 特殊勤務手当、危険手当、防疫作業手当など名称は問いません。
補助対象期間はいつまで?
予算の範囲内において補助を行なっており、都道府県によっては年度の途中で事業を終了する場合があります。
各都道府県の新型コロナウイルス感染症対応ページにて確認しましょう。
補助金交付申請手続の必要書類は?
次の書類を提出する必要があります。
フォーマットや記載例は都道府県の新型コロナウイルス感染症制度を管理する部署からダウンロード可能です。
注意点
交付申請や請求は、月単位で行うことを想定されています。給与支給日後速やかに毎月交付申請書を提出しなければなりません。
対象経費について、他の補助事業等から補助を受けている場合は、対象となりません。
市町村事業として既に新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が充当されている場合も同様です。
まとめ
2020年に実施された「新型コロナ対応に関わる手当支給等の実態調査」では、
「新型コロナ感染患者の診療を何らかの形で受け入れている病院のうち、約45%が手当を支給しており、約15%が手当の支給を検討中である」とされ、
「入院を受け入れている病院に至っては、約65%の病院が手当を支給している」とされています。
感染リスクのある危険な業務を行なうのであれば危険手当を支給されるのは当然のインセンティブです。
勤務先の医療機関で新型コロナウイルス感染症の対応を直接行なっているのに危険手当付かない医療従事者は人事労務部門に相談しましょう。
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