こんにちわ(‘ω’)ノゆとりPTです。
Twitterで話題の『新卒で訪問セラピストになるのはどうなのか?』という議論です。
今回は、Twitterで挙がっていた問題➀~➃を現役の訪問リハビリ経験者としての目線で答えていこうと思います。
新卒または訪問分野未経験で訪問セラピストを目指している方は要チェックです。
新卒で訪問リハビリに就職することはアリなのか?
ここでの訪問リハビリの定義
新卒で訪問分野へ就職する場合を想定していますが、細かく説明すると訪問リハビリは2つのパターンに分かれます。
今回の議題に挙がっているのは後者➁(訪問看護ステーション)です。
なぜなら、医療機関に就職した場合、1年目から訪問分野に従事することはほぼありません。
まずは入院や外来を担当し、評価や治療プログラム、医療スタッフとしての役割を学びます。
多くの医療機関では、2〜3年目以降と経験年数枠を設定している場合が多いです。
しかし、➁訪問看護ステーションからの訪問リハビリだけは就職してから、すぐに訪問リハビリスタッフとして活躍しなければなりません。
今回の質問は、全て新卒で訪問看護ステーションに勤めるのはどうなのか?をベースに回答しています。
問題➀新卒の訪問セラピストの教育はどのようにしているのか?
まず、就職先の訪問看護ステーションの規模により新人の教育プログラムの質や有無が変わります。
看護師が人員基準の3名のみ、あとセラピスト数名などの小規模な訪問看護ステーションでは新人の教育制度は破綻しています。
もし、新卒で訪問セラピストを目指す場合は大規模な訪問看護ステーションを選びましょう。
大規模であれば、概ね教育制度は確立されています。
しかし、病院勤務の新卒セラピストと比較すると勉強時間が圧倒的に足りません。
また、相談相手も一緒に行動している指導者ばかりになり、評価に客観性を欠きます。
病院の場合、リハビリ室やスタッフルームに療法士がいるためその場で相談したり助けてもらうことができます。
しかし、訪問セラピストの場合は訪問先に一人のため自力である程度解決もしくは相談し物事を進めなくてはいけません。
本来であれば、訪問セラピストの方が病院のセラピストよりも教育を重点的にしなければいけないはずですが、それが叶わない環境であると言えます。
問題➁歩合制の職場では、新卒セラピストに悪影響があるか?
これは大いに悪影響であると言えます。
訪問セラピストの給与はその他の医療機関を含めてもトップクラスです。それは歩合制が給与の多くを占めているからです。
しかし、新卒の場合は問題➀で述べたようにまずは稼ぐよりも教育が重要であると言えます。
訪問看護ステーションの歩合制の多くは、件数制です。月70~100件以上回ればインセンティブが発生するといった仕組みです。
つまり、新卒者の教育の時間を取っていると件数がこなせず、最低補償ラインの基本給止まりになる可能性があります。
問題➁の結論として、
問題➂新卒で訪問リハビリに勤めることができる最低条件は?
パターンが2つが考えられます。
➀真面目に訪問リハビリを勉強したいと思っているセラピストの場合
最低条件は
しかし本音を言うと、真面目に訪問リハビリをやりたいのであれば尚更、病院経験は必ず積んだ方がいいと考えます。
なによりも、病態の受傷時や増悪時~回復段階の経過を見たことがないのにその先にある在宅での生活を支援することは困難であると考えるからです。
➁稼げればそれでいいと思っているセラピストの場合
この場合、ほとんど勉強時間を必要としません。適当に揉んで歩かせている訪問セラピストもたくさんいるためです。
件数だけをこなしリハビリ知識のアップデートなどは一切行ないません。
もし新卒者でパターン➁でいいと決めた人がいた場合のみ新卒で訪問リハビリに就職してもやっていけるでしょう。
しかし、何も学ばないセラピストは制度改定による減算の影響をもろに受けやすく、医療機関に転職したいと考えても知識も技術もなくそこで詰むと思われます。
問題➃新卒におすすめする職場やキャリアプランは?
問題➂でも言いましたが、新卒者が訪問リハビリに就職することはお勧めしません。
少なくとも1度は医療機関(病院)経験があった方が、結果的に訪問分野に活かすことができます。
新卒で訪問セラピストを目指す最良のキャリアプランとは、
➀新卒で急性期~回復期~地域包括病棟~訪問まで兼ね備えた医療法人に就職する
急性期から在宅リハビリまでを網羅している医療機関は新人教育もマニュアル化されており、部署の異動も可能です。
➁医療機関での経験を活かし高収入な訪問看護ステーションに転職する
➀の医療機関での経験を活かし、歩合制の訪問看護ステーションを選びましょう。一通りのリハビリ知識はあるため、後は制度の違いを覚えるだけです。
まとめ
新卒で訪問分野への就職は困難を極めます。あまりおすすめできません。
しかし、今後は在宅分野がメジャーとなり教育制度が充実してくることは間違いありません。
その時のために今から継続的に知識をアップデートする癖をつけましょう。
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