生涯年収の低い理学療法士を始めとするセラピストでも、60歳定年まで勤め上げれば退職金が1000万円くらいは貰えるだろうと思っている方は非常に危険です。
この記事では、セラピストは定年まで勤めても救われない厳しい現実と退職金はいくら貰えるのか、セラピストはどうしていくべきなのかを解説します。
まずは結論
退職金の基本情報を知っておこう!
退職金とは、病院側が福利厚生で行っている退職金制度です。
退職した職員に対して支払われる手当のことで、退職手当、退職慰労金等と同意になります。
多くの場合、3年以上継続して勤務することで退職金の需給資格が得られます。
現在では規模の小さい事業所や就業規則などの整備が整っていない病院は退職金制度がない場合があるので注意しましょう。
退職金の計算方法
医療従事者の退職金は、働く職場によって異なります。それぞれで退職金の計算方法が違うため、就業規則に記載されているか確認しましょう。
➀【基本給×勤続年数】
シンプルな計算方法です。
基本給が20万円で5年勤続した場合は20万円×5年間=100万円の退職金です。
➁【勤続年数×固定金】が退職金の計算
固定金というものは、病院側が決めた金額になるのでチェックが必要です。
仮に固定金が10万円の場合は、10万円×5年間勤務=50万円となります。
➂【基本給×勤続年数×給付率】が退職金の計算
もっとも多く見られる計算方法です。
給付率とは企業ごとに決められた退職金にかけられる割合です。
一般的には自己都合退職で60%、会社都合退職で70%程度です。
注意点としては資格手当などの基本給以外の給料は退職金に反映されません。
平均的な理学療法士の退職金は?
厚生労働省が発表している2019年賃金構造基本統計調査では、理学療法士の平均勤続年数は6.2年です。
東京都産業労働局が2018年に報告している「中小企業の賃金・退職金事情」のモデル退職金によると、医療、福祉分野の勤続年数別の退職金は以下のように報告されています。
基本的に理学療法士は転職を目的とした自己都合退職が多く、勤続年数はそこまで長くありません。
勤続3年で14万3000円~勤続5年で退職金が45万2000円前後となります。
勤続33年でも211万円しかありません。
他業種全体と理学療法士の退職金を比較しよう
以下の表は他業種も含めた全職種の平均退職金額です。
大卒で勤続5年と33年を確認していきます。
全体では勤続5年の退職金が43万9000円、勤続33年が929万3000円となっています。
理学療法士は勤続5年の場合45万2000円と全体平均を上回りますが、
つまり、理学療法士は長く勤めても支給される退職金が少ない可能性が高いのです。
★注意★
退職金が高い病院はあるのか?
退職金が高い職場は『公務員』と『企業病院』です。
公務員の場合、国立や県立、市立病院といった公務員扱いされる病院のことです。
勤続30年以上で、1500万円~2000万円は退職金として受け取ることが出来ます。
企業病院のメリットは、会社員と同じ福利厚生を受けることができることです。
つまり、社内の積立型の退職共済(企業退職金共済など)を利用することで退職金が一般の病院と比較して高い傾向にあります。
長く勤めるセラピストほど高い退職金を手に入れることができます。
生涯年収で考えよう
理学療法士が一般的な病院では長期間勤めても高い退職金は貰えません。
公務員や企業病院に勤める理学療法士で、尚且つ20~30年以上勤める自身のある方は退職金に期待できます。
しかし、厚労省の統計データでもあるように理学療法士の勤続年数の平均は6年です。
30年近く同じ病院で勤められるセラピストは一握りでしょう。
そのため、退職金をあてにするのではなく高収入を得られる職場で働くことをお勧めします。
現在よりも高い年収の職場なら、勤続年数が短く退職金が少ないうちであるならば
転職した方が生涯収入は高くなります。
このように一般的な病院で勤めているのであれば、
退職金よりも年収が高い職場で働いた方が圧倒的に生涯収入は高くなることを理解しておきましょう。
おすすめの医療系転職エージェント
希望や経歴をヒアリングし、今後のキャリアについてのアドバイスや過去事例などを参考に面接対策までサポートを行なってくれます。
転職サイトの大手です。
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また公務員系や公立病院・国立病院系の求人にも強く過去の転職事例などの情報も参考になります。
転職については、以下の記事も参照してにしてね(‘ω’)ノ
働けるうちに資産運用をはじめよう
これまでの話でセラピストの退職金には期待できないことがわかりました。
しかし、これはセラピストに限ったことではなく日本企業の全体に言えることです。
そのため、元気に働ける間に資産運用という形で老後の資産形成を行なうことを国が推奨しています。
資産運用・形成については以下の記事で解説しています。
まとめ
これからの理学療法士としての働き方をまとめると
その他にもセラピストの働き方を発信しているので記事をチェックしてくださいね(^_-)-☆
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