こんにちわ(‘ω’)ノゆとりPTです。
コロナの影響で倒産する飲食店のニュースが世間を賑わせています。
しかし、これは我々医療従事者も他人事ではありません。
先日、全国初のコロナ患者受け入れによって倒産した病院のニュースが飛び込んできました。
コロナ患者受け入れ病院倒産 全国初 「外来」減少で経営悪化 | 毎日新聞
現在勤めている医療機関や介護施設・事業所が破産・倒産したらどうなるのでしょうか?
今回は、医療機関は倒産するのか?また倒産時の給与・退職金・解雇について解説します。
病院が破産・倒産したらどうなるの?【給与・退職金・解雇について】
病院はほとんど倒産しない
結論ですが、病院は経営難であっても倒産することはほとんどありません。
日本病院会などの3団体が行った「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査」によると、
全国約1200の病院の4月の医業収入はマイナス10.5%(2019年4月比)。
全体の3分の2にあたる66.7%の病院は赤字で、特にコロナ患者を受け入れた病院は8割近く(78.2%)が赤字となりました。
こうした状況を受けて、政府は第2次補正予算を盛り込みました。
大手銀行からも資金繰りを支援しています。
これらの金銭的な支援により、赤字でも経営破綻することなく業務が遂行されているのです。
その証拠に、帝国データバンクの調査によると、医療機関(病院、診療所、歯科医院)の倒産状況は、
2020年上半期(1~6月)で12件と、倒産が相次ぐような事態には至っておらず、なにより新型コロナウイルス関連の倒産も確認されていません。
介護・福祉施設・事業所の倒産は増加中
医療機関の倒産件数は少ない一方で、
2020年に休廃業・解散した老人福祉・介護事業者の件数は、455件で前年に比べ15.1%も増加しています。
2010年の調査開始以来、2018年に記録した445件を抜いて過去最多となりました。
結局、2020年に老人福祉・介護事業の市場から撤退した事業者の数は倒産と休廃業・解散を合わせて573件にもおよびます。
デイサービスなどの通所・短期入所介護事業者の倒産件数は、全体の32.2%にあたる38件で、前年に比べて18.7%増加しています。
訪問看護ステーションの廃止・休止の件数も年々増加しています。
平成28年)において、全国で1,234件のステーションが新規開業しましたが、廃止462件、休止224件、なんと新規開業件数の55%が営業中止となっています。
経営不振・倒産の原因はコロナでない
老人福祉・介護事業も訪問看護ステーションもコロナの影響による倒産ではありません。
そのおもな倒産理由は深刻な人手不足と次々に新規事業者が参入してくることによる競争激化です。
2020年の休廃業・解散も従来からの深刻な人手不足や後継者不足などによって事業継続を断念するというケースが大部分を占めています。
上記の理由に、新型コロナウイルスの感染拡大による利用者の減少や感染防止対策の費用負担にくわえて、
感染拡大の収束が見えないことで経営体力が残っているうちに廃業しようと考えた事業者も多かったようです。
倒産すると給与・退職金・解雇はどうなるのか?
医療機関の従業員解雇は最低限に行なわれる
病院の破産申立てを行うために必要な「破産申立書」や「添付書類等」を準備し、裁判所に提出します。
このタイミングで通常の会社破産の場合は、従業員の解雇や会社の残務整理を行います。
医療スタッフをすべて解雇してしまうと、転院等までの医療を継続することができません。
そのため、病院の破産においては直接医療に関わる「医療従事者」や「病院施設の保守管理者」、「診療報酬の計算や雇用保険の計算に関わる事務職員」は最低限確保されます。
給与・退職金はどうなるのか?
医療機関に資産が残っている場合
医療機関に資産が残っていて、その残った資産によって労働債権(給与・退職金など)を支払うことができる場合には、未払い給料を支払ってもらうことができます。
退職金は、大まかには「3か月分の給料相当額」が、まず財団債権(優先順位1位)として優先的に認められ、
それ以外は優先的破産債権(優先順位2位)として認められることになります。
医療機関に支払う余力が残っていない時
医療機関から給料等を支払うことはできない場合、医療機関に代わって、政府が会社に立替えをして未払い賃金等を支払う制度があります。
「未払賃金立替払制度」という制度で、独立行政法人労働者健康安全機構が実施しています。
ただし、立替払いの対象となるのは、未払い給料と退職金のみで,限度額が設定されている点には注意が必要です。
まとめ
病院などの医療機関は経営不振に陥ったとしても、行政や金融機関からの金銭援助でほとんど倒産しません。
しかし、介護・福祉施設や事業所の多くはコロナに関係なく廃業・倒産に追いやられています。
理由としては、人手不足と次々に新規事業者が参入してくることによる競争激化です。
これらの知識を基に将来的に勤める場所を考えていきましょう。
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